こまっちゃん、走ります!

武雄市長 小松 政(こまつ ただし)の活動日記です。

職員の不祥事について(お詫び)

さきほど市ホームページでも公表しましたが、本市の職員が、下記の通り不祥事を起こしたことにつきまして、心よりお詫び申し上げます。

武雄市では、市民一丸となって、いち早く被災地支援を行ってまいりましたが、このたびの不祥事により、支援の動きに水を差すことになったことにつきまして、被災地の皆様をはじめ、すべての皆様に対しまして、大変申し訳なく思っております。

不祥事を起こした職員については厳正に処分を行うとともに、引き続き、被災地の皆様の支援に取り組み、少しでも信頼回復に努めてまいります。

このたびは大変申し訳ございませんでした。

 

----------(以下、ホームページに掲載した内容です)----------

本市の職員が、熊本地震に伴う派遣期間中の5月6日(金)の勤務時間外に、公用車で熊本市東区のラブホテルに入店し、その一部始終を被災者数名の方に目撃されました。

この行為が不謹慎だと、5月10日(火)に電話による通報を受け、その後、調査をし、その事実を確認しました。

本市の職員が、公用車を不適切な使用をしたことについては、非常に残念であり、今回の熊本地震への支援の動きに水を差すことになったことについて、深くお詫び申し上げます。

また、被災者の方々に不快な思いをさせて、大変申し訳なく思っております。 

この不祥事を起こした職員については、厳正な処分を行うとともに、今後、服務規律の遵守のための取り組みを徹底し、職員一丸となって、市民の皆様の信頼回復に努めてまいります。

武雄市長 小松 政

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小倉昌男 祈りと経営:ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの

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小倉昌男 祈りと経営:ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの」。かなり評判のこの本、ようやく読みました。内容はこんな感じ。

 

ヤマト「宅急便の父」が胸に秘めていた思い

2005年6月に亡くなったヤマト運輸元社長・小倉昌男

「宅急便」の生みの親であり、ビジネス界不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』の著者として知られる名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設、障害者福祉に晩年を捧げた。しかし、なぜ多額の私財を投じたのか、その理由は何も語られていなかった。取材を進めると、小倉は現役時代から「ある問題」で葛藤を抱え、それが福祉事業に乗り出した背景にあったことがわかってきた――。

著者は丹念な取材で、これまで全く描かれてこなかった伝説の経営者の人物像に迫った。驚きのラストまで、息をつかせない展開。第22回小学館ノンフィクション大賞で、賞の歴史上初めて選考委員全員が満点をつけた大賞受賞作。

 

ここで詳細を書くことはしませんが、とにかく素晴らしい、の一言。丁寧な取材、平易な言葉に統一されたトーン、そして話の展開も見事。あっという間に読み終えました。

かつて、僕が内閣官房郵政民営化準備室で働いていた時、たまたま隣の席がヤマト運輸から出向で来た方で、彼と話していると「あー、小倉イズムは社員一人ひとりに浸透してるんだな」と感心したものです。

そんな小倉昌男氏の関連本は、世の中に数多く出版されていて、「経営はロマンだ!」なんかは僕もたびたび読み返すのですが、今回、この本を読んで、人間小倉昌男への愛着が、より一層増した気がします。

こんなすごいノンフィクションには、なかなか出会えない。今年イチおすすめです。

熊本支援の中での気づきと、僕が考えたこと

今日まで九州市長会だったのですが、その場で福岡市の高島市長からいただいたのが、このレポート。

「平成28年熊本地震 福岡市被災地支援活動レポート」

今日オープンになったそうで、さっそく熟読しましたが、すごく参考になります。皆さんも、ぜひ一度、目を通してもらえると嬉しいです。

熊本地震に対しては、武雄市でも「がんばろう!九州 武雄温泉 宿泊キャンペーン」をはじめ、発災以降、継続的に支援を行っていますが、そのなかで私にとっても色々な気づきがありました。レポートという立派なものでは全然ないのですが、行政に関する備忘録として2点記しておきます。

未来に向けて、何か一つでも参考になることがあれば嬉しいです。皆さんからのご意見もお待ちしています。

 

1.物資支援について

◯ 初期段階での対応。とにかくスピード感を持って搬送することが大事。発災当初は水や食料などを大量に輸送することが求められるが、時間が経つにつれて必要となる物資のニーズは多様化する。大量搬送になじむ行政の役割としては、特に初期の物資搬送が大事と考える。

◯ 現地のニーズとのマッチング。私たちは現地の声やホームページ、SNSを頼りに物資ニーズを把握したが、もっといえば、福岡市のように、特定の自治体にバイで職員を派遣し、タイムリーにニーズを把握することが望ましい。

◯ 物資搬送のハブ化。市民に受け入れ募集した物資について、武雄市内でのストックが不足したこと、また、被災地への直接の郵送が困難な中、全国から少しでも力になりたいという多くの声があったことから、武雄市では物資支援のハブになることを決定した。本来であれば、遠方自治体が近隣自治体にお金を送り、集まったお金で近隣自治体が物資を購入して被災地に搬送するというのが効率的ではあるが、近隣自治体も物流の関係で物資の余裕がないという現状を踏まえ、今回は上記のような支援を行った。

ハブ化を打ち出したのが本震発生から3日目であり、全国から武雄市に物資を送ってもらうのに必要な期間を考慮すると、物資を搬送したのが本震発生から6日目となった。教訓として、発災から時間をおかずに確実に物資を搬送するためには、ハブ化の公表を1日でも2日でも早めにやっておいた方が、初期の切迫した現地ニーズにより応えられたのかもしれない。

◯ 物資の仕分けについて。現地での仕分けには相当の労力を必要とする。そこで、武雄市としても、現地ニーズを踏まえるとともに、現地での労力を考え、品目はなるべく絞って募集し、搬送を行った。

ただ、8品目に限って全国に物資の募集を行ったものの、実際には、8品目以外の様々な物資が続々と送られてきた。現地ニーズが多様化するのと並行して、物流が復旧し現地でも物資の受け入れを中止したことから、武雄市としては初動時の大量搬送をもってハブ化は終了した。実際の募集にあたっては、品目を限定している旨をさらにしっかりと周知することが必要だと感じた。

  

2.自治体同士での協力体制の必要性について

発災による被害や現地状況は、被災した自治体ごとで異なる。特に、発災から時間が経過するにつれて、それは顕著となる。支援する自治体にとってもオーダーメード型の支援が求められるようになると考える。

そこで、武雄市では、もともとつながりのあった熊本県高森町、そして周辺自治体と比較してまだ被害が甚大でなかった高森町が支援しようとしている南阿蘇村をはじめとする周辺自治体を支援することを決め、現地ニーズの高い人的派遣として、高森町へ職員の派遣を行っている。

今回、私のもとにも、全国の自治体から、熊本や大分を支援したいと思っても、特に人的派遣についてどこにどうすればよいのかという声が寄せられている。(特に、行政の専門職員の人的派遣は今最も求められている支援の一つである。)

九州内であれば、例えば佐賀県は、県と市町が一体となって西原村を支援するといったスキームがあるが(武雄市西原村にも職員を派遣している)、それとは別に、自治体同士がバイで支援を行うということがあってもいいと考える。

実際、福岡市がスピード感を持って支援を行えたのは、言うまでもなく高島市長のリーダーシップによるところが大きいが、福岡市は直接の支援として、同じ政令市である熊本市をバイで支援するということが、タイムリーな支援につながっているものと考える。

一つの提案としては、近隣自治体同士、あるいは全国8から9ブロックごとに自治体間で協定を結んでおいて、何か起これば、一つの被災自治体に対し、協定を結んだ全国の自治体が応援に入るといった仕組みの構築が有効ではないかと考える。

武雄市としては、県を通じた西原村の支援に加え、引き続き、高森町役場、そして高森町の草村町長と密に連絡を取り合い、職員の派遣だけでなく、今後は現地からの要請に応じた市民ボランティアの派遣も含め、スピードあるバイの支援を続けていきたいと考えている。

市民の皆さんからの募金を、熊本県庁に届けました

本日、これまで市民の皆さんからお寄せいただいた募金を被災支援に活用していただくため、市議会の吉川副議長、武雄市平成28年熊本地震支援本部の皆さんとともに熊本県庁へ。

募金を受け取られた小野副知事は大学のゼミの先輩。発災以降、休む間もなく縦横無尽に動かれています。

私からは「これは武雄市民5万人の、熊本の皆さんに対する思いです。市民の皆さんは熊本のことをいつも気にかけています。武雄市としても、息の長い支援を行っていきたいので、何なりとお申し付けください。」とお伝えしました。

これに対して、小野副知事からは「武雄市民の皆様、議会の皆様に心からお礼を申し上げます。今後引き続き、末長い支援をお願いし、早期の復興を目指していきます。」との謝辞をいただきました。

武雄市は、佐賀県を通じて西原村を、また、高森町を通じて周辺自治体を支援していますが、小野副知事からは、ぜひ自治体同士でどんどん支援していただきたいとのお願いも。

また、副知事は「観光地へのお客さんも落ち込んでいる。熊本の復興こそが九州の元気につながる。」とおっしゃっていました。武雄市としても、本日「武雄をきっかけにぜひ九州へ!〜宿泊者向けクーポンを発行します」を発表しましたが、ぜひ九州への観光客増に少しでも貢献したいと考えています。

そして、急遽、蒲島知事との面会も実現。文字通り分刻みのスケジュールの中、少しですが時間をとっていただきました。知事からは、武雄市民の皆さんへの感謝の言葉をいただくとともに、発災以降の取り組みについて伺いました。

ただ、個人的にずっと気になっていたのは、大学時代の恩師でもある蒲島知事、発災以降休みなく働かれているので、体調は大丈夫なのかということ。いまだに余震が続くという過去にないケースの中で、被災者の皆さんのご苦労はもちろん、行政側の苦労もずっと気になっていました。

しかし、避難者の皆さんへの最大限の生活支援や熊本の復興に向けて精力的に動かれている様子を見てホッとしました。そして、武雄としても、熊本への継続的な支援を行っていくことを蒲島知事に約束。

改めて武雄市民の皆さんには、心から感謝申し上げます。そして、今後とも熊本・大分の復興に向けて、どうかよろしくお願いします。

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武雄をきっかけにぜひ九州へ!〜宿泊者向けクーポンを発行します

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このゴールデンウィークSNSを見ていると、九州に旅行で来ましたとか、熊本産の食材を買いましたとか、そういう動きがたくさん目に飛び込んできました。

実際、武雄でも、ゴールデンウィークに関していえば、当初は観光客のキャンセルが相次ぎましたが、幸いにも、その後かなり盛り返したと聞いています。

一方で、九州内には、風評被害のため、営業中にもかかわらず、まだまだ客の戻りが鈍い地域があるのも事実。そして、本当に心配なのはゴールデンウィークの後で、これは武雄も同じ。

そこで、武雄市では、ゴールデンウィーク後の5月13日(金)から、市内での宿泊者の方を対象に、最大3000円のクーポンを発行することを決定しました。このクーポンは、旅館やホテル、飲食店、お土産物屋などで使うことができます。今回この政策を打つことができたのは、多くの関係者の皆さんのおかげ。職員も休日返上で調整に動いてくれました。この場を借りて感謝申し上げます。

詳細はこちら↓です。

http://www.city.takeo.lg.jp/information/2016/05/003130.html

 

ここで皆さんには、武雄市がなぜこの政策を打つのかをお伝えしておきたいと思います。

先日も書きましたが、今回の地震の影響で、九州全体の経済が弱くなっていくことを、本当に心配しています。武雄の、佐賀の、そして九州の経済に力強さがあってはじめて、九州全体で被災地を支援することができる。

なので、皆さんには、武雄もそうですが、武雄をきっかけに九州に来ていただき、ぜひ九州各地を回ってほしい。これが一つ目の思い。

あわせて、ぜひ九州の他の自治体でも同様の政策を打ち出してもらいたいと思っています。佐賀県の一つの自治体だけが取り組むのではなく「オール九州」で全国から人を呼び込み、熊本・大分の復興につなげていきたい。これが二つ目の思い。

皆さんのお越しを、九州でお待ちしています。

ゴールデンウィークは、ぜひ九州へお越しください!

熊本・大分の被災地はまだまだ厳しい状況です。このゴールデンウィーク中、武雄市からも熊本に職員を派遣し、被災地支援を行っています。

一方で、気になるのは、今回の地震の影響で、九州全体の経済が弱くなっていくのではないかということ。

実際、九州各地では、営業を再開したものの、観光客のキャンセルが相次いでいる場所も多く、このままでは、地域経済にも深刻な影響が出てくるのではないかと心配しています。

私は、武雄の、佐賀の、そして九州の経済に力強さがあってはじめて、九州全体で被災地を支援することができると思っています。

そんな中、昨日から有田陶器市が始まりましたが、報道では、昨日は去年を上回る20万人の人出だったそうです。九州道も、九州新幹線も、全線で復旧しました。

また、私自身、武雄市内の旅館の方と話しましたが、地震の影響でキャンセルが相次いだものの、少なくともGWの期間については、再び予約が入り始めてきたとのこと。
このように、明るい兆しも出てきていますが、武雄をはじめ、九州全体からするとまだまだ。

現地でのボランティアは大きな支援の一つ。でも、一人でも多くの皆さんに九州に来ていただき、元気をもらうことも、一つの支援だと思います。

With The KUMAMOTO。With The OITA。
ぜひ、このゴールデンウィークは、九州にお越しください。心からお待ちしています!

http://www.takeo-kk.net/

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熊本県高森町、西原村に行ってきました

今日は、熊本県高森町と西原村に行ってきました。

高森町では、草村町長と面会。

先週木曜日、武雄市として高森町を支援することを決定し、金曜日に高森町から職員派遣の要請。日曜日に第1陣4名を高森町に派遣し、そして本日火曜日、町長と面会。草村町長は、連日役場に泊まり込みにもかかわらず、丁寧に応対していただきました。

町長からは、高森町の現状と課題(特に幹線道路の復旧が重要課題)、加えて、隣村であり、今回特に被害の大きかった南阿蘇村への支援について考えを伺いました。

高森町と南阿蘇村は同じ阿蘇郡であり、いわば親戚同士。4年前の九州北部豪雨で高森町で甚大な被害が発生したとき、南阿蘇村が本当に助けてくれた。だから、今回は自分たちが南阿蘇村の力になる。そう語る草村町長の姿勢に、改めて強く共感。

武雄市としても、高森町を通じて、南阿蘇村への支援と協力を固く約束しました。

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その後、西原村へ。西原村は、建物被害1400件強、避難者1500人強。住民の4人に1人が避難されており、特に甚大な被害のあった場所の一つで、オール佐賀県としても全面的に支援しています。村内では、断層に沿う形で発生した建物被害を見て、言葉を失いました。

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西原村では、副村長から現状について話を伺いました。被害の大きかった山あいの集落は、今後集落ごとの集団移転も考えているとのこと。ただ、そういった集落の中でも、地区のつながりが深いところは、自分たちで重機を扱うなどして集落の立て直しをしているところもあるそうです。

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西原村の指定避難所の一つである山西小学校。指定避難所に避難される方もおられれば、やはり地元から離れたくないということで、集落の集会所などで、食材を持ち寄って炊き出しを行ったりしているところもあるそうです。

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支援物資といえば、役場の近くにある体育館で物資の配布が行われていました。聞けば、物資はほぼ足りているとのこと。先日から野菜が入ってきて、炊き出し用として喜ばれているそうです。ただ、コンビニなどを見る限り、物流はかなり復旧しているという印象を受けました。

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そして、避難所では、武雄市から高森町を通じて西原村の支援を行っている職員4名を激励。

当初は南阿蘇村を支援する予定でしたが、南阿蘇村ノロウイルスが流行していることから、急遽西原村の支援へ。東日本大震災の際に、シダックスさんが行っていたキッチンカーでの炊き出しを支援。手前味噌ですが、うちの職員4人とも、気配り目配り心配りで頑張っていて、すごく頼もしかったです。

職員の皆さんの話を聞いていてなるほどと思ったのは、生活支援は決して押しつけてはならない、そこで暮らす人のペースに沿ってしなければならない、ということ。

避難された方と直接接しての実感なのでしょうが、私も実際に避難されている方と話をして、全く同じ感想を持ちました。これは非常に大事なポイントだと思います。また、妊婦、子育て中の家族、高齢者など、よりきめ細かな対応が今後一層必要になると思います。

 

【今日感じたことまとめ】

やはり復旧支援はスピードが大事。ただ、避難所生活などの生活支援は、決して支援の押しつけであってはならない。あくまで、被災された方の「ペース」に沿って支援が行われることが重要。

今後は、熊本全県より各自治体、各自治体より各地区単位に沿った支援を、という視点がより大事になる。特に、自治体による支援については、被災自治体ごとに状況が異なることから、被災した各自治体と個別に組んで支援するのが最良だと思います。

仮設住宅の建設や集落の移転など、復旧・復興に向けて、かなり長い道のりになるのは間違いありませんが、武雄市としては、現地の要請に基づき、息の長い支援をしてまいります。

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