こまっちゃん、走ります!

武雄市長 小松 政(こまつ ただし)の活動日記です。

悠々として急げ

「悠々として急げ」。僕の好きな言葉です。

開高健さんが生前よく口に出していた言葉として有名ですが、もともとはラテン語で「Festina Lente(フェスティナ レンテ)」。ローマ帝国初代皇帝のアウグストゥスの言葉と言われています。

単に「急げ!」と言われると、変に焦ってしまったり、あるいは右から左へと聞き流してしまう可能性がある。でも、「悠々として急げ」と言われると、一旦気持ちを落ちつかせて言葉を腹に落とす余裕があるし、でも一方で何だか緊張感もある。この絶妙な感じが、僕がこの言葉を気に入っている最大の理由。僕自身、あまりそうは思われませんが、生来すごくせっかちな人間なので。

この言葉、いろんなふうに解釈できると思います。セキセイ株式会社の西川雅夫社長は「時代は早く流れているのだから急がなければならないが、押さえるところは押さえて、体制を整えて急げという意味のことだと思うのです」と言っていますが、僕もだいだい同じように捉えています。

この言葉、ぜひ市役所の皆さんにも覚えておいてほしい。加えて、少し話を広げてみようと思います。

僕は市政で対話を重視すると公約しました。で、実際対話を進めるとなると、どうしても時間がかかってしまう。一方で、課題を早く解決してほしいと期待する声もある。似たような話をトニー・ブレアは民主主義のジレンマと指摘していますが、果たしてこの両者、両立できないものだろうか。

これについては、以前、紛争学を専門とする先生に「それは両立可能だ」と言われたことがあって、楽観的な僕は多分できるんじゃないかと。色々な方の知恵を借りながら、地方創生の戦略をつくるプロセスで「悠々として急げ」を市民の皆さんと実践していきたい。具体的にはぜひ来月から始めたいなと考えています。

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