こまっちゃん、走ります!

武雄市長 小松 政(こまつ ただし)の活動日記です。

観光について少し考えてみた

先日、ある方が「観光とは行楽地を見ることではなく、つまりは人と人との交流だ。」とおっしゃった。

僕もその意見に全面的に賛成で、その上で「交流そのものもいわば手段。では人は何のために交流するのでしょうか?」そんなやりとりをしていました。

観光という字は、国の光を観ると書く。これは易経に出てくる言葉ですが、国の光を見せるということは君子の心得で、いい国を作りたいと思うのであれば、国の光を見せなさい、見るに耐えるようなものとして民の生活を良くしなければならない。それが本来の意味だと理解しています。

それもわかった上で、僕自身は、人と人が交流することで、その人は、人生の喜びだったり生きる幸せが感じられる。それこそが、つまりは観光の素晴らしさではないか。そんなふうに考えています。

そう思うのも、我が家の話で恐縮なのですが、長女の名前を決める時に、多くの人と交わることこそが人生を豊かにする、という意味を込めて「千紗(縦糸と横糸が無数に交わる)」と名付けた。そういった僕自身の価値観からくる話かもしれません。

シンガポール人の皆さんが武雄市に田植え体験に来られた、体験型観光ができて良かった、これこそがインバウンド観光だ、ということで終わるのではなく、それはあくまできっかけ。

僕が目指しているのは、その先にある、国を越えた人と人との交流、そして、一人一人が出会うことによって、一人一人の人生が豊かになる、そこまで考えて初めて「観光」と言えるのではないか。

一昨日、シンガポールの皆さんが武雄で田植えアクティビティ観光をしているのを見ながら、改めて「観光」について思いをめぐらせてみました。

そういう、人生の交差点のようなまちに、この武雄をしていきたいと思います。