こまっちゃん、走ります!

武雄市長 小松 政(こまつ ただし)の活動日記です。

観光について少し考えてみた

先日、ある方が「観光とは行楽地を見ることではなく、つまりは人と人との交流だ。」とおっしゃった。

僕もその意見に全面的に賛成で、その上で「交流そのものもいわば手段。では人は何のために交流するのでしょうか?」そんなやりとりをしていました。

観光という字は、国の光を観ると書く。これは易経に出てくる言葉ですが、国の光を見せるということは君子の心得で、いい国を作りたいと思うのであれば、国の光を見せなさい、見るに耐えるようなものとして民の生活を良くしなければならない。それが本来の意味だと理解しています。

それもわかった上で、僕自身は、人と人が交流することで、その人は、人生の喜びだったり生きる幸せが感じられる。それこそが、つまりは観光の素晴らしさではないか。そんなふうに考えています。

そう思うのも、我が家の話で恐縮なのですが、長女の名前を決める時に、多くの人と交わることこそが人生を豊かにする、という意味を込めて「千紗(縦糸と横糸が無数に交わる)」と名付けた。そういった僕自身の価値観からくる話かもしれません。

シンガポール人の皆さんが武雄市に田植え体験に来られた、体験型観光ができて良かった、これこそがインバウンド観光だ、ということで終わるのではなく、それはあくまできっかけ。

僕が目指しているのは、その先にある、国を越えた人と人との交流、そして、一人一人が出会うことによって、一人一人の人生が豊かになる、そこまで考えて初めて「観光」と言えるのではないか。

一昨日、シンガポールの皆さんが武雄で田植えアクティビティ観光をしているのを見ながら、改めて「観光」について思いをめぐらせてみました。

そういう、人生の交差点のようなまちに、この武雄をしていきたいと思います。

シンガポール人5組が「さがびより」田んぼのオーナーに

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外国人の方に7年連続特A米「さがびより」田んぼのオーナーになってもらう「さがびよりオーナー制度」。

構想着手から約2年。本日シンガポールから16名の観光客がお越しになり、さがびよりの圃場で田植え体験。そして今日、5組の外国人田んぼオーナーが誕生しました。

もともとは、市のシンガポール事務所をきっかけに、海外に米を輸出したいと考えていたのですが、シンガポールのスーパーの棚を見ると、北海道産米がずらり。この光景を見てさすがに厳しいと痛感。でも、だったら、武雄に来る外国人観光客に武雄でお米を買ってもらえばいいんじゃないかという話に。

そこから、じゃあ、外国人観光客に田んぼのオーナーになってもらって、体験型観光として田植え・稲刈りをしてもらい、自分で作ったお米を本国へ送る「オーナー制度」はどうだろうか?という話に繋がりました。これが当時のシンガポール出張初日の話。

そして、翌日、現地の旅行会社を訪問。日本の農業を、農地を世界中の人で守りたい、米を通じて、シンガポールと日本の交流を深めたいと直談判。それに真っ正面から応えてくれたのがFollow Me Japanの西村会長。

その後、市側はシンガポール事務所の笠原所長と営業部が窓口となり、Follow Me Japanと一緒になって、スキーム作りから営業活動まで一体となって実施。でも、市だけではもちろん実現できない。

そんな中、とにかく橘町の皆さんの熱意がすごかった。さがびよりは「ななつ星」にも採用されているのですが、武雄温泉駅に到着するななつ星を、毎週欠かさず地域でお出迎えされているほど。そして農家の皆さんは、厳格な管理のもと、高品質のお米作りをずっと追求されている。

昨年のモニターツアーから今日に到るまで、橘町の地域営農推進協議会(山口会長)、共乾利用組合(角組合長)、地元・JA・市議会・Follow Me Japanそして市役所の皆さんなど、本当に多くの皆さんに熱を持って取り組んでいただきました。やはりまちづくりで大切なのは熱意と行動。改めて感謝申し上げます。

今日の田植え&試食会の様子は、下記写真をご覧ください。あちこちで「楽しかった」「一生忘れられない体験だった」という声をたくさんいただきました。

シンガポールは国土が狭く、農産物のほとんどが輸入。米に至っては100%輸入。オーナーになった方は「自分の子どもに自分たちが食べている米がどうやってできているかを教えたい」と。シンガポールはスクールホリデーなこともあり、子どもたちの姿も多く見られましたが、すごく楽しそうだった!

体験型インバウンド観光を活用して、新しい農産物の輸出の形をつくる。そして、橘町の取り組みを、武雄市全体の農業活性化につなげる。その先には、米を通じて、短期移住、さらには武雄市民とシンガポール人の交流へ。今日は壮大な構想に向けた記念すべきスタートの日。

オーナーの皆さんには、この秋、またぜひ武雄に来て稲刈りをしてもらいたい。その時はきっと「久しぶり!」と言い合える関係になっていると思います。そして素晴らしく実った「さがびより」40キロを武雄発、シンガポールの皆さんにお届けしたいと考えています。

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さがびよりオーナー制度、いよいよ本格始動へ

佐賀県武雄市の主要農産物は米。その中でも「さがびより」は7年連続特A評価、そして豪華観光列車「ななつぼし」に使われているなど、最高品質のお米です。

そんな「さがびより」を活かしたこんな事業がいよいよ本格始動します。

www.jiji.com

来週月曜日、オーナーであるシンガポールからのお客様(5組16人)が武雄に来られます。オーナーは、自分の田んぼで田植え体験をしたり、住民の皆さんとの交流を楽しまれる予定。そして、秋にはオーナーが再び稲刈りで武雄に。できたお米はこちらで精米してシンガポールのオーナーの元へ送ります。

インバウンド観光と農業を結びつけた、新しい農産物の輸出の形。おそらく全国でも例がないのでは。アイデアを思いついてからはや1年半。多くの皆さんの協力でここまで来ることができました。

明後日が楽しみです!

工業団地造成、病児・病後児保育施設、発達障害支援〜6月補正予算案を発表

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今日は6月議会提出議案の記者発表。私から重点政策について説明。

スライド作成は広報課で僕は監修。なるべくわかりやすく作ってもらいました。ありがとうございます。


今回のポイントは以下の通りです。

◆雇用、福祉、子育て + 安心

◯「新工業団地」を造成(平成32年分譲予定)

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◯「認知症」対策の強化

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◯「病児・病後児保育」施設を開設(平成30年4月)

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◯「発達障害児」等の支援強化(通級指導教室の増設、ICTを活用した不登校児の支援)

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◯市民協働型の「防災」システム

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全ての皆さんに居場所と未来があるまちへ。雇用や経済の足腰を強くして、それを福祉の充実に。引き続き着実に進めてまいります。

・提出議案一覧(PDF)

http://www.city.takeo.lg.jp/shisei/shigikai/H29gikai/201706/files/201706gianichiran.pdf

・全体の提出議案概要はこちら(PDF)

http://www.city.takeo.lg.jp/shisei/shigikai/H29gikai/201706/files/201706giangaiyou.pdf

※会見の模様は以下のリンクより動画でご確認いただけます。

http://www.ustream.tv/recorded/103607624

駐福岡大韓民国 金総領事と歩く武雄オルレ

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今日は、駐福岡大韓民国総領事館の金総領事と歩くオルレ。市内外から集まった150人が、汗ばむ陽気の中、武雄コースを4時間半かけてトレッキング。

金総領事とは道中、お互いの生い立ちや歴史・行政・食などなど、実に色々と話しました。ゴルフじゃないけど、歩きながらの交流は実に楽しいもの。

金総領事は博学。武雄神社が見えてくると「ひょっとして神功皇后を祀っていますか?」と言われるくらい。日韓の歴史にも精通されていて、武雄が昔からいかに韓国と繋がりがあるかなど、様々なことを勉強させてもらいました。

あわせて、韓国民族芸能の披露や、カンセ人形デザインコンクールの表彰も。コンクールの応募作品50点は、今後、武雄温泉駅に飾られます。

今日は、総領事はじめ、皆さん武雄の魅力を存分に味わっていただけたようです。特に樹齢三千年の武雄の大楠には、韓国の皆さん全てが驚愕。今度は違う季節に改めて来たいとの声も。総領事がぜひ行ってみたいと言われていた武雄市図書館にも寄り道。

二千年の歴史を刻む日韓交流。佐賀ーソウル便も週7便になることですし、一緒に歩く「オルレ」を通じて、今後さらに深め、お互いを理解していきたいと思います。

<九州オルレ武雄コース>
http://www.takeo-kk.net/over/takeo.html

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黒髪山陶芸村について市長と話そう会

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今日の市長と話そう会は、黒髪山はしごランチバルの皆さんと。桃林窯さん、房空路さん、商工会光武さんと意見交換。

この地域は、気軽に登れながらも絶景の黒髪山のもと、食とアートの窯元群が並び、手前味噌ですが、実にハイセンスかつ上質なエリア。自然とアートの融合は全国でもなかなかないと思います。

知る人ぞ知るこのエリアに、昨年開催された「はしごランチバル」には多くの人が訪れました。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/356419
http://www.takeo-kk.net/over/kurokami.html

このエリアを、今の空気を大事にしながら、今後どう盛り上げていくか。僕からは食を通じたライフスタイルの提案などを話しましたが、いやあ、色々な意見が出ました。

波佐見町や有田町とも違う、ものすごくポテンシャルのあるこのエリアを、今後官民一体で盛り上げていきます。ひとつ上のライフスタイルを感じに。ぜひ皆さん、一足先に足をお運びください。

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熊本県西原村へ

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今日は、熊本県西原村へ。熊本復興支援として市民の皆さんからこれまでいただいた募金を、日置村長に義援金として渡しに行ってきました。

西原村は、発災以降、オール佐賀県で支援。武雄市役所からも、中長期合わせて11名の職員を応援で派遣。加えて、隣の高森町を通じて7名の職員を派遣してきました。

日置村長からは、武雄市からの支援に対して感謝をいただくとともに、現在の課題などについて色々とお話を伺いました。

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震災から1年余り。現在最も課題なのは、被災者の方の住まい。仮設住宅に住まれている方の住宅再建や復興公営住宅の建設など。仮設住宅は原則2年間なので、(期間を延長するかどうかの判断はあるにしても)とにかく急がなくてはならない課題。

集落ごとに集団移転するかどうかという話も以前ありましたが、現時点では、どの集落もおおむね元の場所で皆住宅再建をしようという方向性だそうです。

また、農業用ダムの復旧も深刻。約7年かかるだろうとのこと。これは、農家にとって大きな痛手。

日置村長には、リーダーとして大事なことについても伺いました。

村長によれば、

西原村は、人口7000人のうち4000人が避難所に避難した。これは想定外の人数だった。発災後、自分も避難所を回った。1回目や2回目の時は、皆さん意気消沈していて、声をかけても言葉が返ってこなかった。5回目くらいから言葉が返ってきた。今でも忘れられないが、ある避難所でおばあちゃんにこう話した。

『ばあちゃん、今がどん底だ。1か月経てば変わる。1年経てば住宅再建の見通しも立ってくる。5年経てば住宅も建つ。10年後には、あの頃は大変だったねとお互い話せるようになる。だから頑張りましょう。』

おばあちゃんは『村長さんも体には気をつけて』と私に言った。お互いに涙を流していた。」

僕はここに、リーダーは将来への希望を見せることこそが大事だと感じました。また、普段からの訓練の大事さも教えていただきました。

その後、1年前に行った古閑地区へ。村内あちこちで見られる風景ですが、当時と比べて、崩壊した家屋はほぼ解かれていました。今後、ここに住宅が再建されていきます、

古閑地区の1年前の様子がこちら。

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そして、現在の様子がこちら。

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熊本地震から1年余。まだまだ復興は道半ば。私たちは、これからも引き続き熊本のことを思い、熊本の未来を信じ、一緒に歩んでいきたいと思います。